ひのきの棒(Lv.1)@文系博士院生の社会人

社会人として働きながら、博士課程で哲学を研究しています。専門は和辻哲郎の存在論。文系博士が生きていける社会をつくりたい。

営業のイメージが結構違ったので書いてみる

こんにちは、ひのきの棒(Lv.1)です。

この(Lv.1)という表記、ドラクエだと初期でもらうからとりあえず付けたという安直なものなのですが、ネットで検索するときに邪魔なんじゃないかと思いながらつけています。

さて、今日は少し雑記な感じもしますが、僕が就活していた時の「営業」イメージと、実際にやってみた営業が少し違ったので、ちょっとそれについて書こうかなあと思います。

僕は営業セクションではないのでゴリゴリの営業マンから見たら違うと思いますし、業界も違えば全く風土も違いますから一概には言えませんが、少なくとも僕から見た景色にも一定の妥当性があるのではないかなと思っています。

僕が抱いていた営業マン:何かすごいヘコヘコしてそう

 哲学やってる人はみんな「営業」を志望するのを嫌がる傾向があると思います。というのも、ヘコヘコしてるイメージがあるし、めっちゃ酒飲んでノリが良くないといけないイメージがあるし、スーツ着ないといけないし、無駄にビジネスマナーに厳しいと思うからです。

 他人(の多く)とそんなに話したくもないし、誰かにヘコヘコ頭下げるのも嫌だし、他人にノリを合わせるのが苦手な哲学の人間は基本的にこういう営業が嫌すぎて避けると思います。

 実際業界や社風によってはまさにイメージ通りなので否定はできませんが、ただそれは営業というものにおいては非常にどうでもいい部分なのではないかと思っています。

実際の身の回りの営業風景

 僕の周りの営業がどんなことをしているのかと言えば、そもそも「相手と会う」とか以前にアポイントをとらないといけないので、とにかくメールと電話(特に前者)を送り、アポがとれたらZOOMでミーティングして、相手の課題・要望と自分のプロダクトを突き合わせて買ってもらう、というだけです。

 コロナ以降営業といっても現地に赴くケースは大幅に減りましたし、相手の企業も外に出るのは面倒なのかZOOMをOKする場合が多いです。ですから時間を決めたらその時間にルームに入って色々話せばいいので、身体的な疲労もそこまで感じません。

 そして実際の営業中の風景も、「買ってください!」と頭を下げて買ってもらうということはありません。なぜなら何らかの製品を購入するというのは相手にもメリットがあるから生じることであり、相手の善意で買ってもらうわけではないからです。良いものであれば買ってくれますし、相手の課題・要望に合わなければどれだけ頭を下げたところで買うはずがありません。購入の可否は相手の好みではなく相手の会社の利益に基いて決定されるからです。もしも自分の好みで製品の購入可否を決定する人間がいればただの無能です。

 話している相手はいつも整理した状態で懸念点を述べてくれるわけではなく、むしろ「なんとなくこれがいやだ」のようにぼんやりしていたり、そもそも自分でもわかっていなかったり、本質的には同じことを繰り返すことがあります。

チェスのような攻め合いは結構楽しい

 先行研究整理にも似ていますが、相手が言語化したことはその要点を掴み、相手が意識出来ていないことは相手の様々な話から推論していく形で導出していくことが有効であり、こうした事柄は普段から難解な複雑な言語活動をしている人間からすれば非常にたやすいと思います。

 また当然そうした課題に対して自分や自社がどのようにアプローチできるのかという、もう一方の方向でも考えなければならないわけですが、学会の質疑応答と同様既に表に出した情報やその余地からいかにして相手の疑問点を刺して潰して行くのかというところも重要なので、どちらかというと格闘技で間合いを詰めたり、チェスのようなイメージで捉えていただいた方がしっくりくると思います。

 基本的に相手は何かを購入する場合には必然的にリスクを負うわけですが、そのリスクの理由として提出して来たコマの裏をついて差していくせめぎ合いは昔持っていた営業のつまらないイメージとは大きく違うものでしたし、もしイメージだけで嫌がっているのならば、社風や業界の雰囲気で絞っていき、職種はそこまで几帳面に選ばなくてもいいのではないかなと思います。

そんなわけで就活中の陰キャの皆さん、社風とか社員の態度ををちゃんと見ておけば、あまり部署は好き嫌いしなくても大丈夫ですよ(`・ω・´)ゞ